「予防」の重要性
生まれたばかりの赤ちゃんのお口に歯周病菌は存在しません。ではなぜ歯周病菌がお口の中にいるのかというと、周囲の人からうつされている為です。今もご家族間でうつし合っている状態かもしれません。
主な感染ルートとしては、回し飲みや回し食い、お箸の使いまわし、キス、くしゃみ等が挙げられます。細菌が再びお口の中に侵入すると、お口の中に棲み着いて歯周病を発生するリスクが出てくることになります。
特に危険なのは性感染です。せっかく歯周病の治療を行ってもパートナーからうつされてしまっては、治療の意味がありません。パートナーの方と一緒に治療されることをおすすめします。
毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なクリーニングを受けることが重要です。カビ菌が増殖しすぎると歯茎が腫れるなどの悪影響が出てきます。また、カビ菌は歯周病菌にとっての快適な棲家にもなるため、歯周病が再発しやすくなります。
定期的に歯科医院に通い、歯周病が再発していないか、カビ菌が増殖しすぎていないか、顕微鏡で確認しながらカビ菌が増殖しすぎないように専用器具でクリーニングを行うことが大切です。
当院の予防プログラム
歯周病菌チェックを無料実施中
位相差顕微鏡
お口の中には500~700種類もの細菌が存在しています。このようなお口の中に潜む細菌がむし歯や歯周病のような歯を失う原因となっています。
当院では、位相差顕微鏡を用いてお口の中の細菌の種類や量を観察しています。お口の中に生息している細菌によって処置の方法が異なるため、患者さまに適した方法で除菌治療を行ないます。
歯周病を引き起こす細菌は口腔常在菌(健康であっても常に存在する細菌)のため、歯周病治療を行ってもこの細菌を「ゼロ」の状態にすることはできませんが、数をできるだけ減らすことが歯周病活動を抑制したり、再発を防ぐことへと繋がります。
当院では、ご希望の方には位相差顕微鏡による歯周病菌チェックを無料で行っております。
スケーリング
スケーリングに使用される器具
歯科医院では「スケーラー」という器具を使用して歯石や細菌の塊(バイオフィルム)を落としていきます。
スケーラーは、手用スケーラー、エアースケーラー、超音波スケーラー、ロトソニックスケーラーなど、たくさんの種類があります。
中でも主に使用されるのは手用スケーラーと超音波スケーラーです。手用スケーラーにもいくつか種類があり、シックル型・キュレット型・チゼル型・ファイル型と分けられます。これらの器具は、歯石の付着具合によって使い分けます。
歯石を除去する目的
そもそも歯石はなぜ除去するのでしょうか。
私たちは、歯垢(プラーク)を除去するために毎日歯みがきをしています。しかし、歯みがきを忘れてしまったり、毎日歯みがきをしていても磨き方のクセが原因で歯垢の磨き残しができてしまったりします。
困ったことに、歯垢は時間が経過すると歯石となり、歯石になると歯みがきだけでは落とすことができなくなってしまいます。歯石は表面がザラザラしているため、その部分により歯垢が溜まりやすくなります。
この負のスパイラルから抜け出すために、軽度のうちにスケーリングによって歯石を取り除くことが大切になります。
PMTC
PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、専門家が専用機器で行う歯面の清掃のことです。
特殊な機器を使用して、普段のブラッシングでは落としきれない歯に付着した歯石や汚れを除去し、ブラッシングの指導を行います。
PMTCでできること
- 歯みがき後、特殊な薬剤で歯垢(プラーク)の染め出しを行ないます。
- 磨き残しがある部分のブラッシング指導を行いながら、しっかりと歯垢(プラーク)を除去します。
- 特殊な機器を用いて歯面や歯と歯の間、歯と歯茎の境目を清掃します。
- 歯と歯茎の境目や、歯周ポケット(歯と歯茎の隙間)に付着した汚れを除去します(スケーリング)。
PMTCを行うメリット
機械を使った清掃は痛みもなく、歯に付着した汚れもしっかり落とすことができます。また、PMTC後は歯垢が付着しにくくなります。
定期的にPMTCを行い、お口の健康を保つことをおすすめしております。
ブラッシング指導
毎日歯みがきをしているのに、むし歯や歯周病になってしまう―。
それは、自分ではしっかりと磨いたつもりでも、実際は正しくブラッシングできていない方がほとんどだからです。「磨いている」のと「磨けている」は違います。
当院では「ブラッシング指導」に力を入れています。ご自身でのブラッシング能力を高めていただくと同時に、磨きにくい部分などは専門スタッフがケアのお手伝いをさせていただくプロフェッショナルケアが大切だと考えております。
歯ブラシやフロスの使い方など、ちょっとしたお口のお悩みがある方はお気軽にはまさき歯科クリニックへご相談ください。
定期検診の重要性
治療が終わった後も、治療前の健康な状態に戻ったわけではありません。治療をすることでリスクが増加したことも残念ながら事実です。また一方で、今は特に問題もなく健康な状態でも、年齢を重ねるごとにリスクが高まる歯周病もあります。
このようなリスクからお口を守るために、ご自宅でのセルフケアと、歯科医院での定期検診は必要不可欠です。自宅での歯みがきだけの場合と定期的なPMTCを受けた場合とでは70倍の効果の差があり、ほぼ確実にむし歯を予防することができます。
痛み・穴が開いた・歯肉が腫れたなどの症状がある時のみ歯科医院を受診した場合では、多くの方が歯の健康を80歳まで維持できません。この場合、80歳の方の平均残存歯数は8本ととても少ないです。歯科予防先進国のスウェーデンやフィンランドでは、80歳の方の残存指数は20本以上とかなり多いです。
「歯科予防先進国で実績のある検査に基づいた予防歯科」と「定期クリーニング」で患者さまのお口の健康に貢献することが私たちの願いです。